20番目の勅撰和歌集「新後拾遺集」

新後拾遺和歌集
勅撰和歌集の20番目
十三代集の12番目

執奏 第3代将軍足利義満

宣下 後円融天皇、綸旨後譲位

撰者 二条為遠、為遠が没後は二条為重

1384年成立

20巻1554首

伝統的な二条風の勅撰集

第7巻から撰者は為重になり、後円融天皇の歌は、第1〜6巻まで「御製」、第7〜20巻は「太上天皇」と記されている。

序文は、二条良基が執筆。

前集から20年経ち、新たな歌人の入集も多い。

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巻頭歌 春上1

あまつ空
霞へだてて
久方の
雲居はるかに
春や立つらむ

by 為定

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巻17 雑下1416

敷島の
道は代代(よよ)へし
跡ながら
猶(なほ)身にこゆる
和歌の浦

by 為重


浦波=打ち寄せる波

身にこゆる、に、撰者の為重の思い、乱世の撰進の大変さが伝わってきます。

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主な歌人

二条良基(序) 29首
二条為定 28首
後円融院 23首
二条為重 23首
近衛道嗣 19首
足利義詮 19首
足利義満 19首
藤原定家 18首
足利尊氏 18首
藤原為家 15首
藤原為子 15首
二条為世 14首
二条為冬 13首
宗尊親王 12首
伏見院 12首
藤原家隆 11首
九条良経 11首
二条為藤 10首
光厳 10首
順德院 10首

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