3度も奏上された「金葉和歌集」
撰者 源俊頼
初奏本、二奏本、三奏本がある。
初奏本
不明 5巻 478首
1124年(全体的に新鮮味が乏しいという理由で)受納されず返却され、上巻のみが伝わり、全体像は不明。
二奏本 717首
翌1125年に二奏本が奏上されたが
(当代を重視しすぎとの理由で)返却された。
三奏本 650首
翌1126年、三奏本が喜納されたが、現在は伝本が少ない。
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二奏本の初頭歌
堀河院の御時百首歌めしける時、立春の心をよみ侍りける
うちなびき
春は来にけり
山河の
岩間の氷
今日やとくらむ
by 修理大夫顕季(藤原顕季 六条藤家の祖)
(うちなびく、は、春・草・黒髪などにかかる枕詞)
今朝の富士山は
いつも真っ白な山頂の雪が少し溶けていました。
今朝にぴったりの歌に巡りあえました。
立春が過ぎ、若草をなびかせながら、うちなびく春
歌では山河の岩間の氷が今日にも溶けるだろうと詠んでます。
富士山の雪も、いつかとけます。
春の訪れとコロナウイルスの終息が待ち遠しいです。
(2021/2/12に書いた記事です)
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金葉集二奏本は、「堀河院御時百首和歌」=「堀河百首」から43首収載しています。
「堀河百首」は、源俊頼ら当時の代表的歌人14(~16)人が百題・百首を堀河天皇に献詠したもの。
題は、春20首・夏15首・秋20首・冬15首・恋10首・雑20首。
各人が各題一首の100首を詠んだ「堀河百首」以降、
百首歌は、「堀河百首」の題に倣って詠まれるようになります。
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「金葉集」二奏本は、当代風が直に伝わる構成であった為に返却され、
古・新混合体という感じの構成であった三奏本が喜納されましたが、
初奏本と三奏本の全体は不明となり、二奏本が一般に流布することになりました。
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和歌集低迷の時代に、後世の規範となる「堀河百首」を奏上した当代の代表的歌人のひとり、源俊頼が撰集した「金葉集」
主な歌人
源俊頼 36首
源経信 27首(俊頼の父)
藤原公実 25首
藤原顕季 20首
藤原忠通 16首
藤原長実 16首
藤原顕輔 14首(顕季の子)
紀貫之 13首
皇后宮肥後 9首
和泉式部 8首
相模 7首
中務 6首(宇多天皇の孫娘。父は敦慶親王、母は伊勢)