風雅集 その5 花園院の歌

「風雅集」の勉強のおしまいに
「続後拾遺集」その3で書いた花園院が残された詞をもう一度書いておきます。

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花園院の記した「誡太子書」(かいたいしのしょ、太子をいましむるのしょ)

冒頭に、
君主のために国家人民があるのではなく、国家人民に尽くすのが君主の役目である、と記されています。

そして
「徳なくて上に立つことを恥じよ」と。


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「誡太子書」は、今上・徳仁天皇が歴代天皇の事蹟を学ばれる中で大事に思ってこられた書だそうです。

50歳のお誕生日会見でも
花園天皇は・・まず徳を積むことの重要性を説き・・・
花園天皇の言われる「学問」とは、単に博学になるということだけではなくて、人間として学ぶべき道義や礼儀をも含めての意味で使われた(略)」と、お話しなさってました。


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そして、
「風雅集」の撰集を下命した花園院の執筆した真名序、仮名序の一部を、もう一度書いておきます。

和歌について述べられていますが、物事全般に当てはまりそうな内容です。

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正しき心 素直なる言葉は いにしえの道なり

理(ことわり)に迷いて 強いて学べば、すなわち卑しき(いやしき)姿となりなむ

姿 高からんとすれば その心 足らず

言葉こまやかなれば そのさま賤し

艶(えん)なるは戯れすぎ

つよきは なつかしからず


名づけて風雅和歌集という

目の前の興をのみ思うにあらず
正しき風、いにしえの道、末の世に絶えずして、人の迷いを救わんが為なり


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『徳なくて上にたつことを 恥じよ』
(皇太子に向けた詞ですが)

現在、皇族の方々は、様々な総裁、名誉総裁を担っていらっしゃいます。

古典の「上にたつ」という言葉は今では不適切かもしれませんが。

これからも皇族の方には、徳を持っていていただきたい・・と思います。
願いを込めて。


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